ミーハーで蛇足な日記帳もどき。ALFEEを中心に音楽ネタが多いですが 、基本的に何でもアリで節操ありません。
舞台『象』2回目鑑賞 
2010/03/27 Sat 23:08
 昨日は新国立劇場まで舞台『』を鑑賞して来ました。

 Twitterで南海キャンティーズの山ちゃんがこの日に観劇したと呟いてたけど、どの辺で観ていたのかな?狭い会場なのに全く気付きませんでした(笑)。まぁ、舞台が開演してしまえば、私は甥っ子にロックオン!ですからね(笑)

 舞台『象』は、今月の6日に一度観ているので2回目の鑑賞です。前回鑑賞した後にあった「シアタートーク」で、演出の深津さんが「毎日演出を変えていく」と宣言して、芸術監督の鵜山さんが「何度も観ないといけないんですよ」と言っていただけあり、三週間ぶりに同じ舞台を観たというのに初回とは印象が違いました。

 舞台は30日で千秋楽を迎えるし、今回はblogのカテゴリを「SMAP-Goro」にしているので、ミーハーなネタバレを含んだ感想を書いていきますので(前回はカテゴリを「Music/play」にしていました)ご注意下さい。無駄に長いです(笑)

舞台『象』 あらすじは、前回のblogを参照して頂くとして(笑)、1回目と2回目の印象の違いを吾郎ちゃん演じる「男」を中心に書いていきます。

 冒頭は吾郎ちゃん演じる「男」がコウモリ傘を持って現れ、いきなり意味深な言葉が羅列された長台詞で物語が静かに始まりますが、6日の時は当日券(バルコニー席の端)だったから、このシーンが半分以上見切れてしまって観ることができなかった分、今回は正面からしっかり観ることが出来ただけでも印象がまるで違います。しかし、6日の時は首元にストールを引っ掛けているだけだったのに、今回はしっかり首元に巻き付けてしまっていたのが個人的に残念だったわ(笑)
 真面目なことを書くと、冒頭のシーンの男の長台詞は淡々としてナビゲーターのような印象が強いのですが、今回は少し感情的にいなっていて、「放っておいて下さい!」と観客に向って訴えるシーンは少しヒステリックにさえ見えました。そのせいか、「男」は自分の世界観という殻に閉じ篭っているというよりも、世間の好奇な目に過剰なまでに怯えている人間だと感じてしまった。

 吾郎ちゃんは明らかに6日の時よりも「男」キャラクターを自分のモノにしていて、すごく表情が豊かになっていたというか、叔父である「病人」にこれ以上恥晒しな真似はして欲しくないから…自分の意見を聞き入れて欲しくて嘘や偽りを言い、その直後に後悔したり焦ったりする表情に深みがあり、本当に臆病な人間なんだ…と感情の変化が捉え易くて、「男」に共感しないまでも観ていて惹き込まれるキャラクターになっていました。
 
 珍しく地毛の天パを活かしたクルクルの髪型に、捨てられた仔犬のような黒目勝ちの瞳、華奢な身体を演出する薄い布の衣装と、全体的に浮世離れした稲垣吾郎演じる「男」は、叔父と同じ病であることを嫌でも自覚していき弱っていく人間。その世間から離れて殻に閉じ篭って行こうとする様がハマっていて、「可哀想」という気持ちよりも「虚しい」という気持ちを強く感じさせる佇まいで、まさに「不条理劇」に相応しい存在だと思います。

 対する大杉漣さんが演じている「病人」は、常に一生懸命に頑張っている姿を他人に解って欲しくて空回り、どんどん狂気じみていく様を観客に見せ付け、「男」とは違った強烈な「虚しさ」を観客に与えてくれます。

 この「静」と「動」のバランスが絶妙なんですよね。
 絡み合っているように見えて絡み合っていない微妙な駆け引きが二人の間に流れていて、それを観ているだけでハラハラというか、緊張を感じながら魅入ってしまいました。

 しかし、大杉さんは1ヵ月近く「病人」を熱演し続けていて疲労困憊らしく、2幕の途中で思いっ切り素に戻っちゃいましたよ(笑)
 ベットの上から「男」を感情的に叱り付けるシーンで急に肩で息をして押し黙ったと思ったら、「はぁ…、もう、疲れた。本当に疲れた…。3月なのに、こんなに汗をかくとは思わなかった。本当に疲れてます」と、いきなり客席に向かって「大杉漣」として訴えてきました(笑)。これには客席は苦笑するしかないですよ。だって、声も表情も「大杉漣」になっていて、「病人」と全く違う雰囲気なんですもん。
 更に凄いと思ったのが隣のベッドで座っている吾郎ちゃん、アドリブで素に戻った大杉さんに対して笑ってしまうこともなく、フツーに「男」の表情まま受け流していて全く動じてない!吾郎ちゃんが「男」を演じている空気を保ったままだったから、また突如として大杉さんが「病人」に戻って激情的な台詞を発しても違和感が無かった。
 いや~、これぞ「舞台」の醍醐味ですね。

 最後だから書いちゃいますが、この舞台で一番ジーンときたというか胸に響いた場面が、病人の妻が「国へ帰る」と言って病室を出て行こうとした時、ベッドで寝ていた男が「お・ば・さ・ん」って甘えるように声を掛けて、「ああ、お前もいたんだね…」と近寄って頬を撫でるところ。

 特に6日の時は、男が寝ながら本当に甘えるような声を出したのが妙にジーンときちゃって。人との関わりを遮断しつつある男なのに人恋しく思うこともあるんだな…って、叔母さんも甥っ子には優しく接するんだな…って、あの二人のやり取りの場面が妙に切なく感じてしまいました。
 今回は男がベッドに膝を抱えて座っている状態で「お~ばさんっ♪」って、少し戯けたように声を掛けたのもツボ。そして、叔母さんにベッドへ寝かしつけられたところはグッときたなぁ。

 そうそう、今回で特にツボだったのが、1幕の後半で病人が「またあの町へ行く!」と興奮状態で男に訴えるシーンで、突然「聞いてんのかぁ?コラァ!」と病人から怒鳴りつけられ青いマフラーを両手に握ったままビビる男!なんかポーズが乙女の祈りちっくで可愛らしく見えた反面、本当に男はヘタレなんだな~と感じまして、キューン♪ときちゃいましたよ。

 そしてラストシーン、汗だらけになって叫ぶ病人に涙を流して制止する男の激しいやり取り、あの鬼気迫る二人のやり合いは「虚しさ」、「悲しさ」、「可笑しさ」、色んな感情が入り乱れて観ていて苦しくなってしまうんですが、最後の最後の男の優しい独白と病人の見せる満足気な狂った笑顔…、その二つが苦しさを洗い流していってくれる感覚が堪りませんでした。

 この日、カーテンコールは3回もあり、特に2回目の時は大杉さんが本気でフラフラしているように見えました(笑)。正に全身全霊で演じていらっしゃるんですよね~。
 ずーっと物悲しく寂しい表情をしていた吾郎ちゃんも、カーテンコールでは力の抜けたような自然な表情に戻り、3回目のカーテンコールではちょっとだけ一人ステージ奥に残り、照れたように笑顔で手を振った姿がキュートでした。


 ああ、なんだかんだで随分とダラダラ書いてしまったなぁ(笑)
 本当は他の共演者の方のことも書きたかったけど(「通行人1」を演じた山西惇さんは特に素晴らしかった!)、さすがにこれ以上は書くのは厳しい…

 とにかく、吾郎ちゃんがこの舞台に挑戦してくれたのが何よりも嬉しかったです。今まで観たことが無かった舞台だったし、難しい「不条理劇」の世界観に違和感無く溶け込んでいる姿…堂々たる存在感に感動しました。

 やっぱり吾郎ちゃんにはコンスタントに舞台に立ち続けて欲しいです!



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テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

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