ミーハーで蛇足な日記帳もどき。ALFEEを中心に音楽ネタが多いですが 、基本的に何でもアリで節操ありません。
2011/05/11 Wed 22:42
 昨晩は舞台『ぼっちゃま』をPARCO劇場で観て来ました。脚本は『ラッパ屋』の鈴木聡、演出を河原雅彦、そして主演が稲垣吾郎で共演に白石加代子という個性的な顔ぶれ。しかも、パルコ・プロデュースによる鈴木聡×稲垣吾郎の舞台は2003年の『謎の下宿人』、2007年の『魔法の万年筆』に続き、この『ぼっちゃま』でシリーズ三部作になるのです。

 個人的に久しぶりのPARCO。開演まで少し時間があったからと軽くウィンドウショッピングでもしようと思ったのが運の尽き、最初に見たお店でストールに一目惚れしてしまい、舞台を観る前に清水の舞台から飛び降りました(笑)

 そんな私の懐事情はさておき。

舞台『ぼっちゃま』 物語の舞台は戦後の日本。
 東京郊外の地主の跡継ぎであるぼっちゃまの幸一郎(稲垣吾郎)は独自の美学と哲学を貫く変わり者で、唯一の理解者である乳母の千代(白石加代子)と木造家屋で二人暮らし、亡き父の形見の骨董品を馴染みの骨董屋・榊原(柳屋喬太郎)に売っては、そのお金で放蕩な生活を続けていた。
 そんなある日、自分が家長であることをアピールしようと疎遠になっていた姉妹弟を唐突に呼び寄せ、戸惑い気味に井上家に訪れた姉(谷川清美)・妹(大和田美帆)・弟(中村倫也)だったが、ぞれぞれ小柳(梶尾善)と矢部(福本伸一)という訳ありの連れを伴っていて幸一郎に相談したいことがあったのだ。しかも、相談内容を聞いた幸一郎は憤慨してしまい、この姉妹弟たちとの再会が幸一郎の恋人の滝子(高田聖子)や下宿人の健介(小林健一)をも巻き込んで騒動になっていく。

 …という鈴木聡お得意のドタバタ喜劇。
 吾郎ちゃん演じる幸一郎がホントに絵に描いたような"おぼっちゃま"で超ハマリ役!対する乳母役の白石加代子さんも絵に描いたような"ばあや"ぶりで様になる。しかも御二方はパッと見は浮世離れした雰囲気なのに、会話になると「こういう人、当時は居たんだろうなぁ」と思うくらい日常的でリアルだから、それだけでもムチャクチャ面白い。特に白石さんのコメディのセンスというか"間"や佇まいが最高だし、吾郎ちゃんもちょっとした台詞や仕草が気品あるぼっちゃまなんだけど妙に笑える。加えて、個性的過ぎる姉妹弟に周囲の人々…全員がエネルギッシュで凄いのなんの。

 キャラクター的にも主役のぼっちゃまを筆頭に性格が問題やや有りの人達ばかりなのに(笑)、とにかく憎めないんですよ。ぼっちゃまは世間知らずの自分本位な人間だし、他の姉妹弟や周囲の人々もぼっちゃまに直ぐ振り回されてしまう芯の無さ。だけど根っからの悪人は一人も居ないから、彼らが大騒ぎしている姿が観ていて楽しいし、次はどんな問題が勃発するのかとワクワクしちゃう。
 そして、そんな中でも千代だけは常にぼっちゃまの味方で静かに見守っている姿を貫いているからこそ、ただのドタバタ喜劇では終わらず物語に深みとリアリティを与え、それが最終的に心温まる場面を見事に作り出していく。

 第一幕60分に第二幕75分、その時間の中で客席全体がドッと笑う場面が何度あったことか。特にクライマックスなんて大笑いしたと思ったらホロリと泣かされ、その涙も収まらないうちに笑わされて大変。物凄く素直な気持ちで舞台の世界に観入れる雰囲気だからこそ、客席は思いっきり笑ったり涙したり感情をストレートに表現できてストレス発散できちゃいます。笑いは免疫力を高める効果があるって言うけど、観劇後は舞台から元気を貰った気分。

 そうそう。この舞台はピアニストの佐山雅彦さんも登場人物の一人でして、場面に合った生演奏を即興で弾いてくれるシーンが何度もあります。BGMが本物ピアニストの生演奏だなんてかなり贅沢な上に、物語的にもちゃんと人物として役割を果たしていたところが素晴らしかったですね。
 ちなみに、佐山さんの生演奏は開演の10分前から始まるので、これから観劇される方はそれまでに着席しておくことをお薦めします。

 最初、この舞台『ぼっちゃま』の話を知った時は、我侭なぼっちゃまに振り回される騒がしい喜劇なんだろうとしか思っていなかったんだけど、予想の上をいく騒がしさに加えて「ええっ!?そんなのアリ?」とビックリしてしまう展開になって、「随分と笑える舞台だなぁ」と圧倒されていたら意外にも涙腺を刺激されるハメになったり、当初思っていた以上にこの舞台の世界観にハマッて楽しんでしまいました。ホントに面白かったですね。鈴木聡×稲垣吾郎シリーズの中では一番好きだと断言できます。

 吾郎ファン的にもビジュアルが最高でね(笑)
 この間の『月イチゴロー』での疲労ぶりも納得の膨大な台詞量だし、ぼっちゃまなのに意外に激しく動くシーンが多いせいか顔のラインがほっそりしていて、大人しくしている時は儚げなんですよ。それでいて、甘やかされて育った人間特有の母性本能を刺激する子供ぽい言動も多々あって、そういうところが嫌味なくハマっているんですよね~。本当に憎めないキャラというか、愛くるしい場面が多くて堪りませんでしたっ。

 この物語は主人公が周囲に迷惑を掛け捲るというのが軸になっているんですが、吾郎ちゃん演じるぼっちゃまは確かに周囲を振り回す言動ばかりなんだけど、悪気は無いしブレが全く無いんですよ。だから、私には周囲の人間がぼっちゃまに迷惑を掛けているようにも見えたくらい。
 まぁ、公演が始まって一週間足らずなのでネタバレ的なことは避けますが、幸一郎が最後に弟に送った台詞なんて彼の世間知らずだけど人柄の良さが出て妙にジーンときちゃいましたもん。

 いや~、本当に面白くて楽しい舞台だったなぁ。
 出演者陣のチームワークは絶妙だったし、観客が一体となった雰囲気も最高だったし、最後はカーテンコールが3回あって、その度に小芝居している白石さんと柳家さんがツボでもありました。あと、3回目のカーテンコールでは吾郎ちゃんが客席に向かって「ありがとうございました」と肉声を発してくれて感激。最初から最後の最後まで、吾郎ちゃんは非常にキュートでごいざいました。
 パンフレットも読み応えがあって写真も良くて買う価値あり!余は満足じゃっ(笑)


  web拍手

テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

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