ミーハーで蛇足な日記帳もどき。ALFEEを中心に音楽ネタが多いですが 、基本的に何でもアリで節操ありません。
2011/06/18 Sat 22:54
 また1週間ほどblogの更新が滞りましたが、13日は前日から大阪入りして吾郎ちゃんの舞台の千秋楽を鑑賞して、中一日開けて今度は15日にTHE ALFEEの神奈県のコンサートに参加というハードスケジュールでございました。ええ、今はもう色んな意味でしわ寄せ状態です(笑)←自業自得

 まず、今回は舞台ぼっちゃま』の千秋楽のネタバレ感想をいっちゃいます!
 ネタバレが少ない真面目な感想は既に5/11付けのblogに書いているので、今回はネタバレ全開&ミーハー全開で書かせて頂きます。それでも良いという方のみ、読み流して下さいね。
 ウチのblogを何度か読まれている方なら察しが付くと思いますが、無駄に長いですからね~(笑)

 大阪では梅田にあるシアター・ドラマシティで6日から公演が始まり、13日で千秋楽を迎えました。
 私は12日の昼過ぎに大阪入りをしたのですが、現地でお友達と合流だったので行きは一人旅。行きの新幹線ではたまたま隣に乗り合わせた若いお兄ちゃんと何故か名古屋辺りまでDSで対戦ゲームなんかしちゃったりして、一瞬だけ旅の目的を見失いましたが(笑)無事に新大阪駅でお友達と合流してミーハーのテンションが上がりました。しかし、新しくなったのは知っていましたが、大阪駅はじめ周辺はかなり変わりましたね~。
 大阪には何度か来ていますが目的が毎回ミーハー行事なので(笑)、毎回駅と会場の往復しか経験なかったから12日は大阪でのんぶり出来て逆に良かったです。

 さて本題の舞台の感想。

稲垣吾郎主演舞台2011チラシ シアター・ドラマシティという会場自体初めてだったのですが、PARCO劇場の3倍はある広さでなんか妙に圧倒されてしまいました。
 しかも、千秋楽ということで本来なら開演の10~15分前にジャズピアニストの佐山さんの演奏が始まるのに、この日は開場と同時に始まっていたそうですっ。そして、席には直接チラシが置かれていまして、今回の『ぼっちゃま』のチラシと今度の10月に公演する吾郎ちゃんの新しい舞台『泣き虫なまいき石川啄木』も入っていて感激。吾郎ちゃんが今まで千秋楽を迎える前に、次の舞台が決まっているだなんて無かったですからね~。

 …て、ちっとも舞台の感想になっていないなぁ。

 実は席が端の方だったとはいえ前から3列目というラッキーな席でして、見る度に痩せてきている麗しい吾郎ちゃんを間近で見ることが出来たから油断すると見惚れてしまっているって感じだったんですよ。もう、それだけで大満足&幸せに浸っておりましたよ。
 戦後の流れに取り残されてしまった青年の浮世離れ感と、吾郎ちゃんの華奢で物憂げな雰囲気が見事にハマッていて、見れば見るほど"稲垣吾郎"ではなく、この舞台の主人公である我侭ぼっちゃまの"井上幸一郎"にしか見えなかったなぁ。

 しかも、千秋楽なもんだから出演者の皆さんのアドリブ暴走が凄いのなんのっ。あの白石加代子さんですら冒頭からコミカルな仕草が5割増でして、私はこれで3回目の鑑賞だったのに何度もクスクス笑ってしまうどころか、あるシーンは皆様の暴走ぶりに場内大爆笑でしたよ。いや~、凄かった。

 またスタンディングオベーションになった3回目のカーテンコールでは、吾郎ちゃんの生声挨拶をた~ぷりと聞くことが出来て感激。
 怒涛の公演をこなしてきて実は喋るのも結構キツイ状態でありながら、両手を胸元に当てて指をピロピロとピアノを弾くように動かしながら息を整え、「もう喋る必要って無いんですよね~…」と言いつつも、自分にとってとても高い壁だったのを乗り越えて達成できたのは、この素晴らしい座組やスタッフだったからこそだというのを語ってくれて、役柄ももちろんだけど公演時期も微妙だっただけに吾郎ちゃんにとって大きな"挑戦"でもあったんだな~と痛感しました。

 しかも、「皆様からのリクエストがあれば、この座組で再演をしたいです。…その時はケンちゃん(小林健一)はいないかもしれませんけど(笑)」とジョークを飛ばしながらも、自分から再演の話題を振ってくれたのは嬉しかったぁ♪座長のお言葉が出たんですから、パルコやら鈴木さんやらにリクエストをGO!ですねっ。
 でも、こんな言葉が出るくらい今回のカンパニーのチームワークは良かったんでしょうね。芝居中はもちろんのこと、このカーテンコールでも雰囲気の良さが滲み出ていましたもの。

 千秋楽ということで舞台のキャスト全員と客席で三本締めで終わったのですが、拍手が鳴り止まず4回目のカーテンコールがあり一本締めで『ぼっちゃま』の舞台は無事に幕を降ろしました。

 最高に面白くて楽しい千秋楽だったし役者さん個人個人が本当に素晴らしかったので、以下からネタバレ加えたキャラ語りをさせて頂きます。

 おっそろしく長いですからね~。覚悟して下さいね~。

web拍手


■白石加代子(千代=ばあや)■
 大御所である白石さんですが意外にも喜劇は初めて。しかし、千秋楽を迎える頃にはコミカルな動作のツボをすっかりマスターしていて、和室で手紙を書いているぼっちゃまの姿を見つけた時の、「もう~っ、ぼっちゃまったらっ」という腰や両腕をフリフリする動作のキュートなこと♪また、骨董商の榊原を演じる柳家さんのアドリブ大暴走のシーンでは素で笑っちゃっていたし、品がありながらも毒の効いたジョークを飛ばしたり、コミカルな動作で笑いを取ったり素敵なばあや姿を堪能しました。

 千代さんの場面で好きなのは、第一幕の終盤に事業に失敗して一文無しになった姉妹夫婦や弟に対して、一旦は怒りながらも無償で住居と食事を提供することを宣言した幸一郎の粋な計らいを目の当たりにした千代が、「ぼっちゃま!……グーッ♪」と親指を立てて褒めたシーンですね。あの時の白石さんの間の取り方といい、声の出し方といい、全てが最高です。

 一番印象的な場面はやはりクライマックスですね。息を引き取ってしまった幸一郎に泣き縋り「人はねっ、悲しみも絶望も受け入れられる心を持っているのよっ!だから生きなくちゃダメなのっ!生きなさいっ!生きるのよ…っ!」と叫ぶところですね。直後に幸一郎が息を吹き返すと判っていても、あの悲しみ愛しさの込められた泣き声にはグッときます。

■高田聖子(滝子=恋人)■
 主人公が一番愛している女性を演じた高田さんですが、ムチャクチャ元気が良い上に色気まであって最高でした。なんか常に舞台上で走り回って飛び回っていりような印象が残っています。

 好きなシーンは浮気が治らない幸一郎にキレて結婚を拒否して大暴れするところでしょうか。扉を乱暴に開けて縁側にバーンとスカートを広げて飛び出すのですが、千秋楽というだけあって大胆にスカートを捲っての登場(私は高田さんの黒スパッツがモロに見える席でした/笑)、追い掛ける幸一郎から逃げ回りながらも、最終的に幸一郎の優しさに絆されてしまうところかな。
 あと、息を引き取りそうな幸一郎に「あんたみたいな心のやり取りが出来る男は居ないのよっ!」と泣き喚きながら、勢い余って弱っている幸一郎の体をバシバシ叩きまくり、みんなから文字通り足を引っ張られて引き離されるシーンかな。高田さんと足を引っ張っていた梶原さんはプロレスでもやっているのか?というオーバーアクションで、直後に2人して奥でゼーゼーしながら肩で息をしていたのにはウケましたわ。

 個人的に切ないなぁ…と感じたシーンは、幸一郎が全く記憶にない母親について語る姿を優しく聞いているところと、クライマックスで「千代さんは千代さんなんだから」と言う幸一郎と千代との間にある絆を目の当たりにして黙って見守っている滝子の姿です。
 滝子は幸一郎の全てを優しく受け入れる千代に対して嫉妬に近い感情を少しは抱いていたんだろうけど、最終的にはそんな千代を頼りにしている幸一郎の姿も好きなんだって気付いたんじゃないかな~って。深読みしすぎ?

■中村倫也(信次郎=次男)■
 幸一郎の腹違いのクールな弟を演じた中村さんは、顔はもちろんですが声はとにかくイイ!声優さんのようなカッコいい声で、個人的には藤原竜也さんと少し被ります。

 基本的に我侭な幸一郎を上から目線で受け答えるクールな役どころなんですが、千秋楽では他のキャストに負け時とアドリブな動きを連発。無一文で井上宅に再訪問した時に「蔵はあっちだ!」とみんなで行こうとして、姉妹夫婦がそれはそれはコミカルな動きをしたのですが、中村さんを床を片足伸ばしてスーッと滑るスライディングで移動しまして、その動作とキャラのギャップが最高で爆笑してしまいました。

 好きなシーンは弱った幸一郎と「バーカ!バカ!バカ!」と大人気なく言い合うシーンも良いのですが、やはり最後の裁判を受けることになったことを告白しに来るシーンですね。
 私は信次郎の表情がとてもよく見える席だったので、幸一郎の「当たり前だよ。何があって僕たちは兄弟じゃないか」という言葉を聞いて眼がどんどん潤み顔が赤らんでいくのが良く判り、ただでさえジーンくる上に貰い泣きしてしまいました。

 幸一郎のことをウザッたい存在だと思いながらも、何でも全て受け止めてくれる優しさに頼っていることを自覚した信次郎は本当に魅力的なキャラクターでした。

■大和田美帆(良子=次女)■
 一回り以上も年上の男と恋に落ちて天真爛漫に生きる良子を演じた大和田さんは本当にチャーミングで、歌もいけるという若手実力派。

 女優陣の中では一番清楚な役柄だと思うのですが、周囲に触発されてアクティブな動きも意外に多く、特に梶原さん演じる夫から「(俺の仕事が)六時までに帰れるわけがないだろう」と言われた時のショック顔が見事なムンク状態で(笑)、可愛らしい方なだけにギャップがあって可笑しかったです。

 好きなシーンはその直後の落ち込んで屋根に上がってしまうシーンですね。傷付いた乙女を演じながらも、意外に簡単に立ち直るところはウケます。しかも歌うシーンではミュージカルばりに無駄な振りまで付いて(笑)、それが舞台本来の雰囲気とはかけ離れているから妙な違和感が出てきて逆に面白いんですよね~。
 あと、浴衣姿の幸一郎が悦に入って説教するシーンで、梶原さんと並んで正座しながらも目の前をプラプラ揺れる幸一郎の帯の端をペシペシ叩いて遊んでいたのがツボだったと同時に羨ましかったです(笑)

■谷川清美(富子=長女)■
 谷川さん演じた長女の富子は姉妹夫婦と弟の中では一番アクティブな役柄。物凄い勢いで説教する幸一郎に負け時と凄い剣幕で言い返すだけではなく、時には突拍子も無いコミカルな動きをして客席を笑いに包んでくれる素晴らしい女優さん。

 だからアドリブ的な動きが多くて多くて(笑)。特に凄かったのは、「蔵はあっちだ!」と叫んで縁側に飛び出したまでは良かったものの、勢い良く飛び出したもんだからヒールを蹴飛ばしてしまい、そのままコロコロおむすびのようにヒールを転がして行ってしまうコミカルな動きには客席大爆笑。
 その直後に幸一郎演じる吾郎ちゃんは怒鳴るのですが、よく笑わずに憤慨の演技が出来たものだと感心してしまったほど。

 上に書いたシーンが富子の一番好きなシーンでもありますが、シリアスな場面では幸一郎が息を引き取りそうになった時に「99%は嫌いだけど、残りの1%はどうしても憎めない人なの~!」と泣き縋るところですね。
 あと、梶原さん演じる小柳が寂しい話をした直後に幸一郎が息を引き取ってしまい、「何であんな寂しい話をしたの?」と詰め寄るシーンかな。このシーンに限らず、何気に谷川さんと梶原さんのコミカルなやり取りはツボでしたわ。

■福本伸一(矢野=長女の夫)■
 ラッパ屋の旗揚げメンバーでもある福本さんは、一番鈴木聡ワールドを体現したキャラのようにも見えました。すごく気弱なんだけど言う時は言って、陰は薄いようでしっかり存在感のある特異な役者さん。

 アドリブ全開で暴走するキャストが多い中でさほど暴走することは無かったものの、逆に元気過ぎる谷川さんの役に引っ張られている姿がコミカルで、この舞台がただのドタバタ喜劇にはならないような中立的なポジションを最後まで貫いていました。

 一番好きなシーンは、幸一郎が屋根裏に行っている間に散々悪口を言って本人が真後ろに居ることに気付かず言い続けるシーンですね。あのはしゃぎっぷりが今まで大人しいキャラと通していただけに可笑しさ倍増でした。
 あと、何気にスイカを食べる芝居が一番上手い!本当に美味しそうに食べてました。そういえば、梶原さんと延々とスイカの種を飛ばし捲くっているアドリブにはウケましたわ。

■小林健一(健介=八百屋の息子のケンちゃん)■
 登場人物の中で一番純朴な役柄のケンちゃんを演じる小林さんは、前半と後半で職種が変わるので二通りのキャラが演じられるという実はオイシイ役柄。

 キャラクター上もともとオーバーアクトなので何処までアドリブでどこまでアドリブじゃないかも判らない愉快なキャラでもあるんですが、ジャズバンドして調子に乗っている時に自慢の(?)胸毛をバーン!と見せるシーンは、かなり大袈裟だったのでアドリブですな(笑)

 好きなシーンは自暴自棄になった滝子に誘惑されて魔が差し事に及んでいた所に幸一郎が帰宅して、怒り全開の幸一郎にガンガン殴られて喚きながら逃げていくところかな。でも、それがキッカケで八百屋の稼業を継ぐ決意をして、幸一郎が「彼は古い荷物を下ろせたんですね」と羨ましそうに呟くシーンも切なくて好き。

 個人的には息も絶え絶えになっている幸一郎の体を支え、クルクル癖毛の頭を撫で撫でしていることは羨ましかったぞぅ(笑)。でも、幽霊の幸一郎が出て来た時は一番ビビッて、縁側まで飛び出しているだよね~。

■梶原善(矢野=次女の夫)■
 芸達者の梶原さんが演じる矢野はエロ全開の矢野。キャラクター的にアドリブ入れ放題、暴走し放題なのですが、本当に物凄い"間"で絶妙なアドリブを入れてくるから、不意打ちで笑わされることが多かったです。

 大和田さんの所でも書きましたが、幸一郎が動く度にプラプラ揺れる帯の端を手でパシパシ叩いて遊んでいるシーンは説教を受けている反省が全く見られなくて可笑しさ倍増。
 あと、特に好きなシーンでもありアドリブも混ぜられているシーンでもあるんですが、夜食のキュウリを取り上げた幸一郎から上手い具合に1本だけくすねる所ですね。不意打ちで幸一郎が振り返る場面も、上手いこと頷いて誤魔化したところなんて最高でした。

 好きなシーンは徴兵から逃げた幸一郎を虐めながらも、五十肩に苦しんで格好が付かなかったり、幸一郎から妹のことで説教を受けて弱気になり彼に促されるまま屋根に行くシーンですね。登場人物の中でも一番性格が悪いかもしれないんですが、どこか気弱なところもあって素直で憎めないキュートなキャラでした。

 そうそう、梶原さんはカーテンコールの度に隣の白石さんとコミカルな動きをしていて面白かったです。最終的にはお手々を繋いで帰って行っていたなぁ。

■柳家喬太郎(榊原=出入り骨董屋)■
 柳家さん演じる榊原さんはアクティブでアドリブが多いキャストの中で一番動き回ってアドリブも暴走する人です。キャラ的には八百屋のケンちゃん同様に井上家の騒動の傍観者であるはずなのに、何気に騒動の引き金にもなっていたりする人。とにかく物語上でもアドリブ上でも舞台上の人々を引っ掻き回しておりました(笑)

 この人の一番の見せ場といえば、第一幕の終盤にある「包帯だらけの幸一郎に何があったのか?」を説明するシーンでしょう。自分の想像を勝手に加えながら(笑)、「その時、幸一郎に何が起きたか?」をドラマチックに説明するんですが、千秋楽ということもあってか、店の人の証言やら駅員の証言やら例え話の登場人物が増えているのに加えて、着物の裾を広げて足を大胆に見せての熱演なんてまだ甘い、畳にバッターン!と大の字になって正に体を張っての大熱演になってしまい、白石さんはもちろん、目の前で見せられている他のキャスト陣は俯いたり口を抑えたり肩を震わせたり、とにかく笑いを堪えるのに大変な状態になっちゃって大爆笑モンでした。
 余りの熱演にゼイゼイと息を切らした柳家さんへ、客席は惜しみない笑いと拍手を送りましたともっ。

 好きなシーンは幸一郎と縁側で気ままに話すシーンですね。女遊びに飽きてしまった幸一郎が落ち込み気味に縁側で酒を呑んでいるのを、「先代もそんな時があった」と話聞かせる柳家さんが好きです。

 彼にとって幸一郎は良い骨董品を持っている上客の一人に過ぎないんだけど、先代と同様にその人間性に惚れ込んでいるというか、見ていて飽きない存在なんでしょうね。だから、幸一郎が骨董品を全部処分してしまった後に「もう榊原さんはウチなんて用無しでしょ」と言っても、「今度は私がぼっちゃんを飲みに誘いますよ。…って言っても、赤提灯ですけどね」と返したシーンにはホンワカしました。

■稲垣吾郎(幸一郎=ぼっちゃま)■
 吾郎ちゃん演じる幸一郎が我侭だけど憎めない愛くるしいキャラであることは前にも語りましたが、千秋楽では「この"ぼっちゃま"を見られるのはこれで最後なんだ」と、本当に1シーン1シーンが名残惜しかったです。

 5月上旬と5月下旬そして6月中旬と3回この舞台を観て来ましたが、ホントに見る度に吾郎ちゃんの顔が小さくなんて体が薄くなっていったのにはビックリしました。物凄い台詞量だし、ぼっちゃまの癖にかなり動き回るし、かなり体力勝負の舞台だったんでしょうね。それでも、東京公演と大阪公演の両方で声を枯らしきってしまうこともなく、最後まで力強い台詞回しを通したパワフルぶりは素晴らしかったです。

 あと我侭なぼっちゃん風の役柄は鈴木聡作品の前作『魔法の万年筆』とも少し被るのですが、芝居のスタイルが全く違うというか、ド素人の私が意見するのも生意気ですけど、本当に役者として一皮剥けた気がしました。具体的に言えないんですけど、"何か"が変わったんですよっ。
 やはり映画『十三人の刺客』での芝居が評価されたことが凄く大きい気がします。

 『十三人の刺客』の暴君を吾郎ちゃん自身が「コンプレックスの塊」と表したように、この『ぼっちゃま』の幸一郎も舞台上で言われている通りコンプレックスの塊でしたね。
 自分だけが本妻の子でありがならも実の母親の存在を全く知らない、戦争中は徴兵から逃げてしまった、そして父親も空襲で愛人達と一緒に死んでしまった…。つまり自分のことを良く知る人間は千代しか居ない。それ以前に、母親の存在を全く知らされていないだけでも自分の存在そのものが不安定になってしまうもんですよね。
 だから、喧嘩になると判っていても腹違いの兄弟を呼んでは構い、恋人がいるのに自分を愛してくれそうな女の所へフラフラ行ってしまうのも仕方がない。幸一郎が"面倒くさいけど憎めなくて愛らしい"というのは、複雑な境遇がしっかり描写されて台詞の端々にちょっとした寂しさが滲み出ているせいかなって思いました。

 そんな訳で幸一郎はかなり可哀想な存在でもあるんだけど、決して可哀想に思えないは幸一郎を全面的に受け止めてくれる千代の存在があるかなんだろうなぁ。やはり千代は偉大な存在ですね。この二人の目には見えない強い"絆"に時には心温まり、時にはホロリとさせられるんだと思います。

 でもって幸一郎ぼっちゃまの好きなシーンは…って、全部に決まっているじゃないですか(笑)。ここで一つは二つに限るのは非常に難しい。

 ただ大雑把に言うのならば、自暴自棄になった滝子がケンちゃんと事に及んでいるのを見て怒りをその背中に醸し出すシーンかな。「裏切られた!」という傷付いた気持ちと怒りの気持ちが混ぜ合い、その後に独り残されキュウリを齧りついて嗚咽するところ、その姿を後ろから静かに見守る千代…全てが好きです。
 あと、幸一郎が息も絶え絶えになっているシーンは全部好き。後で息を吹き返すにしても(笑)、ガクッと頭を落とすシーンは何度見ても切ない。書き方が悪いですけど、いつ死んでもおかしくない弱っている役って吾郎ちゃんにハマるんですよね~。

 そして、終盤のシーンは全部好きです。チューチューアイスを噛み切れなくて両脚の指が全部反り返っちゃうのも可笑しかったですけど、その直後の弟とのやり取りや千代さんとのシーン、全てが愛おしかったです。

 ああ、これだけ語っても語りきれない(笑)
 本当に今の時代に相応しく元気になって心温まる作品だったからこそ、再演はもちろんのこと、DVDなどの映像化を是非とも希望したいと思います。より多くの人にこのハートフルなコメディを観て欲しいなぁ。

 しかし、大震災の前日に告知されて公演するかも微妙な時だってあったでしょうし、公演中に大きな地震が起きたら…という心配や公演することでの内外の反応への不安もあったと思います。だから、吾郎ちゃんがカーテンコールで「大きな壁」と言っていたのかもしれませんが、こうして無事に大阪の千秋楽を迎えられて本当に良かったと思います。

 この素晴らしい舞台の千秋楽の観客の一人に自分がなれた幸せに感謝っ。


テーマ:演劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメント
この記事へのコメント
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2011/06/20(月) 21:59:45
| #[ 編集 ]
>○○○○san(笑)

匿名希望のコメントでしたのでHRは伏せますが、コメントありがとうございます。
こんな長い文を読んで頂けて感激ですわっ♪
2011/06/27(月) 01:15:50
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