ミーハーで蛇足な日記帳もどき。ALFEEを中心に音楽ネタが多いですが 、基本的に何でもアリで節操ありません。
2011/10/12 Wed 21:21
 先日、TV『マルモSP』を観ながら何気なく頭を触ったら後頭部にシコリのような腫れがあるのが判り、「なんじゃこりゃーっ!?」と不安になって連休明けに一番で病院に駆け込んだら、「汗腺に脂が詰っているだけですね。要はニキビみたいなものです。炎症も起こしてないし、刺激を与えなければ放っておいても自然に治りますよ」という診断を受けて脱力。
 なんせ、月曜が祝日で病院が開いてなかったから丸一日ドキドキしていただけに、「なんだ~」と一気に肩の力が抜けてしまいましたよ。まぁ、大した事じゃなくて良かったんですけどね。

 で、すっかり元気を取り戻した(笑)その11日の夜はシスカンパニーの舞台『泣き虫なまいき石川啄木』を紀伊国屋サザンシアターまで観に行って来ました。
 あの井上ひさし原作の舞台で、主演・稲垣吾郎を筆頭に、貫地谷しほり、渡辺えり、西尾まり、鈴木浩介、段田安則という個性的な顔ぶれな上に、演出を段田さんが手掛けることでも話題の作品です。

 7日から公演が始まっているこの舞台、私は11日が初観劇。
 紀伊国屋サザンシアターにも初めて行ったのですが、高島屋と繋がる連絡通路を歩いている時点でロビーに山ほど飾られていたお花の香りが漂ってきていました。狭いロビーを素敵なお花が囲っていて、特に成宮寛貴さんからのお花が色んな意味で凄かった!ゴージャスでもあり珍しくもあり、あれは見た人にしか解らないインパクトがある(笑)。個人的には、市村正親さんからもお花が届いていて嬉しかったなっ♪(あ、市村さんといえば、今日からBS朝日で連ドラ『王様の家』が始まるわ!)

 ちなみに、ロビーで販売されているパンフレットは売上が義援金になるそうで、小ぶりながらも読み応え十分の内容になっています。特に、この舞台は石川啄木がどういう作家であるか知っていることが前提となっているので、パンフレットに書かれている経歴や、その時代に使われている用語の解説欄については観劇前に読むことをお奨めします。
 このパンフレットは公演期間中のみ通販でも扱っているので、詳しくはシスカンパニーの公式サイトの『泣き虫~』コーナーの《NEWS》へ。

舞台『泣き虫なまいき石川啄木』 明治45年(1912年)、石川啄木こと石川一(稲垣吾郎)を病で失った妻の節子(貫地谷しほり)は療養の為に海岸沿いの民家の離れを紹介され、そこで一が「必ず焼却してくれ」と遺言を残した日記を読みすすめる。

 時は3年前に遡り、一は華々しい詩人デビューを飾りながらも、その後は世間に認められるような作品が書けずにいた。お陰で収入は乏しく生活は貧しくなるばかりで、そこに母親のカツ(渡辺えり)と節子の嫁姑問題が度々起きる有様。それでいて一は出版社の校正係の仕事も気紛れにしかやらず、親友の金田一京助(鈴木浩介)に返す宛てのない借金を繰り返し、婦人伝道師を目指す妹の光子(西尾まり)にも心配や世話を掛けながらも、小説家として名を上げたいという想いを抱き机に向う日々だった。
 そんな日々苦しい生活を送っている一の元に、酒好きな禅僧気取りの父親の禎一(段田安則)が転がり込んで来てしまったことで、石川家の暮らしは更に困窮し言い争いが耐えなくなっていく…。

 …という話で、石川一が逝去するまでの3年間の貧しく言い争いの耐えない苦しい暮らしぶりを、彼の日記を読むことで振り返っていくというものでした。

 公演されてから間もないのでネタバレな感想は避けますが、我侭な主人公とその家族取り巻く物語ということで、吾郎ちゃんが5月~6月に主演した舞台『ぼっちゃま』(ネタバレ無し感想はこちら/ネタバレ有り感想はこちら)と似ている題材だなぁ…と観劇前までは思っていたものの、実際に鑑賞した後だと『ぼっちゃま』とは別ジャンルの舞台だと感じました。

 綿密な取材を元に作品を書き上げる井上ひさしの原作だけあって、当時の時代背景や登場人物の心理を上手く表現している緻密に計算された台詞回しが面白く、『ぼっちゃま』のような派手なドタバタ劇は無くても淡々と進む中で起爆剤的な騒動が起きる愉快さもあり、独特の方言や当時の言い回しも多用されて難しい部分があっても戸惑うことなく舞台の世界観に惹き込まれます。
 あの時のあの台詞や表情が、今のこの台詞と想いに繋がるのか!…みたいな、心地よいカタルシスもあり、貧しく辛い日々を送る家族の姿を見せ続けてられているにも関わらず、心温まる気持ちになれる作品です。

 核家族が当たり前になっている現代だからこそ、一を取り巻く騒動に対して「なんて大変な家族を抱えているんだ…」と同情的になりながらも、どこか魅力的に見えてしまうのかもしれない。
 主人公の一はもちろん、父親の禎一のいい加減な生活ぶりは唖然とするほどなんですが、彼らが"何"を一番大切にしているかを知ることで途端に憎めない愛すべき人物に変わっていくから、こういう家族の元に生まれたくないと思いながらも何処か羨ましさも感じたりする。現代社会の中で今一番希薄いなっているモノがしっかり存在している世界だからこそ、自然と魅せられてしまうんでしょうね。

 そして役者陣も総じて素晴らしく、特に方言を多用するカツを演じる渡辺えりさんの台詞の多さといったら…!しかも台詞だけでなく動きもかなりあって、外見倒れしていない迫力がありました。飽くまで個人的見解なんですけど、カツという人物が居一番現代の人間が共感し易いんじゃないかなぁ…。

 あと、一に小説家の才を見出し援助を惜しまない金田一京助を演じる鈴木浩介さんも良かった。彼だけは石川家とは他人の人物なので、金田一が登場する度に舞台の雰囲気が少し変わるんですよね。それがタイミング良く雰囲気が変わる時もあれば、彼の登場で妙な方向に雰囲気が変わる時もあり、その流れの激変ぶりが面白くて仕方が無かったです。
 この金田一京助と石川一の絡みのシーンは、時に可笑しく時に切なく…全てにおいて好みでしたっ。

 今年珍しくも主演舞台が2本になった吾郎ちゃんですが、前作『ぼっちゃま』が騒動の中心人物だとしたら、今作の一は騒動や世間に振り回されてしまっている人物で、どちらかというと"静"のキャラかもしれない。実際はそんな"静"なキャラではないんですけど(笑)、時に"静"に逃げたいと望んでいたと思うんですよ。それに群像劇的な感じなので、思っていたほど登場時間も台詞量も無い分(台詞はあるときはアルけど/笑)、逆に"静"の芝居を堪能できます。
 そのせいか、今回の舞台では吾郎ちゃんの背中がとても印象に残りました。あと、騒動が収まった後の"静"の佇まいや表情が素晴らしかった。特に一の最後の台詞はその時は素っ気無いものではあるんだけど、エピローグで自然とその台詞の重さを痛感させられて、舞台の醍醐味が集約されているようにも感じましたね。

 何より有名な井上ひさしの戯曲『泣き虫~』の世界観に、吾郎ちゃんが違和感無く溶け込んでいたというのがファン目線では一番嬉しかったかな。世間に認められない不憫な文豪役って、なんか吾郎ちゃんに合っていると思います(笑)
 吾郎ちゃんて凄くスマートだけど、痩せていれば誰でも儚い役が似合うか?というとそういうものでもないし、吾郎ちゃんに儚い役がハマるのは外見だけではない内に秘めている独特の空気感というか、内面性が奥深いからこそ観客側が想像力を掻き立てられるような浮世離れした役がハマるんじゃないだろうか。←褒め過ぎ?

 それに、パンフレット内で語られていることですが、シスカンパニーの北村社長が何年も前から『泣き虫~』は稲垣吾郎でやりたいと考えておられて、生前の井上さんもピッタリだと仰って下さった…とあり、とても嬉しく感じました。吾郎ちゃんはシスカンパニーでは『ヴァージニア・ウフルなんてこわくない?』に出演していて、それでしっかり実績を積んだからこそ、その後の新国立劇場で別役実作『象』に主演し、そして今回の『泣き虫~』にも繋がってきた。舞台に対する吾郎ちゃんの真摯な姿勢が認められているって、ファン贔屓だと言われようともやっぱり嬉しい。

 先にも書きましたけど、観劇前までは「『ぼっちゃま』と似たような話かな…」と思っていたら、意外に真逆のキャラクターが堪能できて、非常にファンとしても美味しい舞台でございましたよ。
 個人的に『ぼっちゃま』は舞台としては(ドタバタ劇とはいえ)やり過ぎな感も否めなかったので、"静"と"動"の絶妙な切り替わりと独特な台詞回しのある今回の舞台の方が好みです。逆に『ぼっちゃま』が好みの人は、今回の作品に若干の物足りなさを感じるかもしれません。でも、こればかりは個人の好みの問題で、どちらが良いかなんてことまでは語れません。だって、どちらも良い舞台だったもの。
 年に2回も舞台があって懐的には非常に厳しいものになりましたが、ファンとしては幸せな一年としか言いようがない。

 そうそう。段田さんの演出作品というのを初めて観たのですが(段田さん自身はこれが2作品目)、思っていたほど奇抜な演出はなく、むしろ正統派だなと感じました。私は井上ひさしの舞台を観るのも初めてでしたが、聞き慣れない当時の言い回しなども違和感無く耳に入ってきたので、役者陣それぞれの仕草や台詞回しが判り易かったんだと思います。

 私はこの舞台をまだ鑑賞できる機会があるので、次は展開を知っている分だけに今回とは違った気持ちで観られることが楽しみでなりません。それに、舞台はLIVEですから、役者陣がどう進化しているのかも楽しみっ。Viva舞台っ♪

web拍手

テーマ:稲垣吾郎 - ジャンル:アイドル・芸能

コメント
この記事へのコメント
Re:
こんばんは。
舞台鑑賞楽しまれたようで何よりですね。
ところで今、「ストスマ」を聞いていましたが、ハガキ送られました?
こっちでは月~金纏めて金曜日に「ストスマ増刊号」として流してまして、今日は吾郎ちゃんの週で、いきなりななんぼさんの名前が出てきたので驚きました。まさかと思い、コメントしました。
2011/10/15(土) 00:25:55
URL | カイル #no8j9Kzg[ 編集 ]
>カイルsan
コメントありがとうございます。

ははははは。「ストスマ」を聞かれていらっしゃいましたか。
まさかですが、あの「ななんぼさん」は私です(笑)
こちらでは水曜の「SMAPパーソナルクローズアップ」の時に読まれたんですが、まさか読まれるとは思わなくてビックリしてしまいましたよ。次回にblogの時にでも書きますけど、木村さんの「ワッツ」を聞いていてどうしても気になったものでメールを出しておりました。
2011/10/15(土) 01:07:29
URL | ななんぼ@管理人 #qYsjHJMI[ 編集 ]
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